木花

コノハナ

「THE LAST GIRL」

今月十日、「戦争及び紛争下において、武器としての

性暴力を根絶するために尽力したこと」により

ノーベル平和賞を受けたナディア・ムラドさんと

ジャーナリストのジェナ・クラジェスキさんの共著。

九日付の朝日新聞に掲載された記事を読んで

イラクコンゴで起きていたことに言葉を失い、

彼女の本を手にしました。

 

二〇一四年八月三日、ナディアさんの住んでいた

イラク北部のシンジャール山地の麓にある

ヤズィディ教徒の住む小さな村コーチョに

イスラム国の戦闘員が来た。

それまで村の警備にあたっていたペシュメルガという

イラククルディスタン民兵は、前触れなしに

シンジャールから引き上げ、村人たちは身を守る術も

逃げる道も失くし、簡単に征服された。

村の男性と老人は処刑され

子どもはイスラム国の戦闘員へと育て上げられ、

女性は戦闘員の性奴隷として売買或いは贈与された。

 

イラクを取り巻く国々の関係性も、宗派の違いも

複雑で、簡単には理解できない。

ひとつひとつのニュースを繋げて読み解く力が無い。

気がつかない。

その陰で、こんなに酷いことが、起こっていた。

今も、世界のあちこちで、性暴力に苦しむ人がいる。

せめて、それが起こったということ

いまも苦しんでいる人々がいることを知り、

自分が生きているこの世界の向こうに

彼らが生きている世界も同時にあることを想いたい。

 

どの勢力にも、大抵どこかの国の後ろ盾があって

その後ろ盾を得たり失ったりすることが

勝敗を決しているのなら、世界の平和とは何だろう。

 

彼女の本を読んで、幸せになろうと思った。

 

女性が、子どもたちが、その家族が

平和の内に生きられる世界を願います。