新聞に載っていた、なかにし礼さんの記事を読んで
彼の作品に、初めて触れました。
小説ですが、戦争を体験した自伝が軸になっていて
圧倒的な体験の数々に、読むほど言葉を失くします。
この人が人生を通じて背負ってきたものを
私はひとつでも背負って生きられるとは思えない。
人間一人が抱えることのできる闇の深さ大きさに驚く。
ひとつ、そうだろうと思っていることがある。
戦争を憎む世代によって平和がもたらされることはない。
平和を愛する世代によって平和はもたらされる。
だから、事実を知った上で、すべきことは
ただ平和を求めることだと信じている。
戦争によって、肉親によって
与えられた闇を、彼は、全て、受け容れた。
愛の人なのだと、思う。