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木花

手しごと コノハナ

「天湖」

石牟礼道子さんの著。

湖の底に沈んでしまった在りし日の村へ

いまも夢のなか、通う村人たち。

村人であった祖父のため、湖を訪ねた都会の青年。

水没を免れた寺に生まれた若住職。

 

それぞれの人生にある背景からくる言葉と

沈んでしまった村にあったものが

余韻を持って絡み合う。不思議なお話し。

 

途中、若住職の語ることが、よかった。

 

本が終わるころ、青年は思う。

 

「はじめに小さな川や泉があった。風や雨があった。

人がいた、心があった。声がゆき来していた。

歌が出現した。互いの魂に呼びかけるために。」(本文より)

 

世界はそんな風に生まれたのかもしれない。

人間が話す言葉など

そのずっと後にようやく生まれたのだろうと思う。

 

言葉は人間が創り出したひとつの形に過ぎない。

感じることのほうが真実だ、と思う。

 

 

 

 

 

 

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