木花

コノハナ

「魂の秘境から」

十日、石牟礼道子さんが 亡くなられた。

 

心のなかの芯が一本、無くなったような気持ち。

 

昨春から、朝日新聞に毎月下旬

石牟礼さんの文章が載るのを楽しみにしていた。

 

「椿の海の記」の一節に

「(前略)生命界のみなもとを思っただけでも、

言葉でこの世をあらわすことは、

千年たっても万年たっても出来そうになかった。」

とあって、あぁ、と想ったのだった。

 

言葉はいつも、わたしには扱い難くて

いまのこの感覚を、どんな言葉に変えたら

目の前の人に伝えられるのか判らない。

 

一言一句間違えないように、綱渡りのように

言葉を選んで綴っても

紙面の向こうの人に伝えられる気がしない。

 

石牟礼さんは、出来そうにない、と書きながら

言葉でこの世をあらわしてきた。

そのことのできる、数少ない内の一人だった。

 

石牟礼さんの本を読み返す。

繰り返し、繰り返し、言葉でこの世をなぞってみる。

このひとより、いのちを知っている人間がいるだろうか。

 

 

わたしは言葉では、うまく言えないことが多い。

だから手で縫うのかもしれない。

言葉の代わりに、一枚の衣を差し出したら

わたしの居た世界が、そのひとにも見えるだろうか。

感じた世界を、そのひとも感じてくれるなら

その方が、言葉よりもずっと伝わる気がする。

 

冬休みをいただいて 心が少し落ち着いて

写真をまた、取り始めた。

どうして撮るのか判らないけれど

これも言葉の隣にあるものと思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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nuna

「nuna」はイヌイットの言葉で「大地」を表します。

 

「大地は冷たく、広大である。それは荒野だ。容赦がない。

無慈悲でさえある。しかし、大地は憩いの場でもある。

生命を育み、息づいている。血を流すことさえある。

それは我々の母なる大地の一部である。それは美しい。

それは私たちの文化を育む。

私たちはその一部であり、それは私たちの一部である。

我々は一つなのだ。」

(「ヌナブト準州の父」と呼ばれるジョン・アマゴアリクのことば

(Amagoalik 2001:9) 大村敬一)

 

生きとし生けるものたちが生活する場。

私たちは大地と一体化し、その一部に溶け込む。

 

相手に愛情を注ぎ、相手を助け、ともに働き、ともに食べ、

ともに生きることを苦しみつつ悦ぶ。これこそが

人間も、人間でない者も、自律した意思をもつ者たちが

生きて関係を結ぶ世界の倫理、nunaなのだと

アラスカのデザイン集に紹介があって、心を奪われました。

 

これから自分の縫いあげる服を

nuna 「大地の衣」と名付けようと思いました。

 

 

美杉の木こり、木たろうの、ひろきくんが

トチの木でnunaの小さな看板を作ってくれて

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グラフィックデザイナーの武田さんが

素的なタグ兼名刺を作ってくれて

 

cafeナナクリの三澤さんが

ちくちく手縫いのワークショップを企画してくれて

 

いろんな方の、助けを借りて

立春に、小さいけれど、確かな芽吹きを感じています。

 

手で縫うなかに、祈りが生まれる。

nunaは、あなたと私を守る衣。

 

そういう服を、つくりたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ちくちく手しごとWS

新年明けて随分経ちますが

年末年始の忙しさが一段落したところで

インフルエンザらしき風邪をひき

 ようやく元気になって ほっと一息

 

nuna初めてのワークショップを

久居のcafeナナクリさんにて開かせて頂きました。

 

長方形の布を斜めに折り合わせて作るあずま袋

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リネン75%、ラミー(苧麻)25%の麻生地

ですが、とても柔らかくて

なみなみ、てらてらしているので

ざっくばらんに切って、折って

好きに縫うことを愉しんで頂きたいと思いました。

 

できあがったあずま袋を持って

嬉しそうに笑っている皆さんのお顔

心に残るワークショップとなりました。

 

こんな風に、自分の使うものを自分の手で作ってみると

心がぽっと、温まるような

暮しが和むような、そんな気がします。

 

ご参加いただいた皆さん

cafeナナクリの三澤さん

素的な一日をありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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アーモンドパイとシュトーレン

今年のクリスマスケーキは

おやつやトクちゃんの大きなアーモンドパイ。

バターとアーモンドの風味が豊かで

家族が大好きなケーキです。

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もうひとつ、ヴィーガンシュトーレン

わら細工仲間のみんな

一緒に頼んで焼き上げもらいました。

自家製ドライフルーツの黒糖焼酎漬入りだそうで、

あぁ おいしい。

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トクちゃんのおやつは、大地の味がする。

しっかり生きている人の味、だろうか。

 

 

陰極まって陽に転ず

 

これから、少しずつ日が伸びて春に向かいます。

気温の方は2か月遅れ、これから寒さの底を迎えて

それからようやく、春に向かうのです。

寒さの入りは、からだが慣れなくて大変ですが

慣れてしまえば、冬は好きです。

 

薪ストーブの前でぬくぬくと

何も考えずに縫い物をするのは幸せです。

 

来年、平和に、幸せにありますように。

皆さま、よいお年を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ちくちく手しごとWS@cafeナナクリ

 明日は冬至

ですが、その時を待たずに、日が伸びてきたように思います。

気分も少しずつ、晴れてくるような。

 

年明け、一月二十四日に

津市庄田町のcafeナナクリさんで

あずま袋を手縫いするワークショップを

開かせていただくことになりました。

 

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詳細は、cafeナナクリさんのブログ・インスタにて。

http://nanakuri.jugem.jp/?day=20171218

 

素的な空間で、おいしい飲茶もついて。贅沢です。

よい一日となりますように。

 

お会いできたら、うれしいです◎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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美杉むらのわ市場

明後日は、今年最後の、

そして、この五年間の締めくくりの、むらのわです。

木花のお弁当作りは、ここで一区切り。

いろんな区切りが重なって、ひとつの終わり。

終わりの後には、始まりが待っています。

市場にも木花にも、新しい風が吹きつつあります。

一休みしたら、また歩き出します。

 

最後のお弁当は、というと

池添さんが子どもたちとお汁を作って

私がおむすびを握って

皆で食べようという企画です。

 

今まで、おむすびに色んな具を入れましたけど

一番握るのが楽しいのは、梅干しなんです。

なんででしょうねぇ

梅干し入れて、握るとき、幸せだなぁって思う。

その幸せが、食べてくれる人にも届くといいなと

思っていました。

だから毎月、梅干しは入ってたんです。

自分が握りたいから。

 

市場で木花のお弁当を食べてくださった皆さん

ありがとうございました。

 

締めくくりに相応しいお店が揃ってくれて

みんな、来てくれる人と楽しむために

いろんな企画を練ってくれて

楽しい市場になりそうです。

市場でお会いできたら嬉しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ヨーコさんの”言葉” それが何ぼのことだ」

佐野洋子・文 北村裕花・絵

 

佐野洋子さんの本を読みたいなぁと思って

図書室で手にした本です。

 

その1 せめてこれ以上、誰も何も考えないで

便利な世の中の、便利さを問う、ヨーコさん。

むらのわで表現したかったことや

いま自分を取り巻く社会のことを改めて考える。

社会の波にのまれ、時には波に乗り、それでも

社会と自分の芯が遠く隔たっていることを感じる。

 

その9 フツーに死ぬ

病にも死にも大騒ぎをする人間と

淡々と全てを受けいれていく動物の、生の在り方。

 

週末、在宅医をしているお医者さんの話を伺った。

病院というのは、医療を施し命を救う場である。

死を看取るようには機能していない。

でも現代は、殆どが病院で死を迎える。

からだがもう栄養を不要として、水分も絞っていくときに

点滴を与えてむくませて、痰がからんで苦しませる。

いらん医療をしてしまう。そういうこともあるという。

家で死ねず、病院で死んで、斎場でセレモニーをしては

子どもたちがその死に直に触れる機会がない。

命のリレーが見えない。

 

人間は、いらんことを一杯している気がする。

いのちが、つながっていかない。

 

もっと素直に質素に、豊かに生きられないものか。

そういうことを、しみじみと感じる一冊です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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